なぞの多いトゲトゲのナナフシ『トゲナナフシ』

トゲナナフシ
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
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トゲナナフシ (Neohirasea japonica)

学名 Neohirasea japonica
種類 ナナフシ科 エダナナフシ亜科
分布地域 本州・四国・九州・沖縄
活動時期 6~12月
エサ バラ科の植物の葉っぱ
大きさ メス60~70ミリ オス40~50ミリぐらい

トゲトゲしていて、枝にそっくりな『トゲナナフシ』。
ちょっと見付にくいような気がしますが、ひょこり現れる時は現れるナナフシの一種です。

ただ、ほとんどがメスで、正式にオスが日本で発見された例が1例しかないので、オスを見つけられるのはかなりレア度が高いです。

激レアです!!

2009年に初めて発見された時は新聞に載るほどの大発見で、かなり珍しいことだったので現在(2019年)でも人工では繁殖させてオスが出ても、自然界からはなかなか発見されないので十分レア度がMaxレベルで珍しい発見になりますから、見つけたときは飛び跳ねて喜んでください。

トゲトゲは別に危険ではない

トゲナナフシのトゲ

トゲナナフシのシンボルとなっている、トゲトゲですけど別に危ないものではないです。

触ったら、そのトゲが折れて刺さってしまうといった仕組みはなく、敵を寄せ付けないための武器ではないので安心してください。

実際に触ってみても、見た目ほどトゲトゲして痛いというほどではないです。

枝に擬態するための道具なので触ったらケガをしたり、毒があったりするわけではないので安心してください。

トゲナナフシの情報

トゲナナフシ

トゲナナフシの分布

主に、関東以南に分布しています。
でも、千葉県では絶滅危惧Ⅱ類になっているので、千葉県でメスが見つけられれば相当レアです!!

北海道にはナナフシの種類自体がほとんどいないので、トゲナナフシも残念ながらいないです…

トゲナナフシの特徴

トゲナナフシの特徴

一番の特徴は、なんと言ってもトゲトゲです。

トゲナナフシは、ちょっと短めの太めでずんぐりした感じです。
その体型がまた可愛いんですけど。

そして、触覚が長いです。
個体によって違いありますけど、シャキーンっと体の1/3から1/2ぐらいあるほどあります。

色は、緑型と茶色型がいます。
基本的に多いのは茶色型で、緑型は珍しいです。
こう考えると、何かとレア度の高いナナフシですねぇ…

千葉で緑型のオスを見つけたら、究極にレア度Maxですよ!!
単純に、緑型のオスでもレア中のレアです。

結局のところ日本にいるナナフシでは、トゲトゲがあればトゲナナフシといってほどトゲが最大の特徴です。

トゲナナフシの住処

トゲナナフシは、ある程度湿度の保たれた広葉樹林にいます。
その近くの建物や道路にも出てきます。

一番は、エサとなる木があるかどうかがポイントになりますね。

トゲナナフシの生態

トゲナナフシの生態

トゲナナフシは、メスだけの有性生殖(単為生殖)する昆虫です。

でも、1977年に飼育されていたトゲナナフシからオスが発見されて、2009年には天然の自然下にいたオスが発見されました。

なんで極端にオスが少ないのかは不明です。

間違いなく自然下にもオスはいるので、私も一度は出会ってみたいと思っています。

トゲナナフシの腹部の先端
トゲナナフシのメスの腹部の先端

ちなみに、オスの特徴はお尻の先の部分が、交尾の時にメスを固定するためにフックのような突起(把握器)が出ています。
その突起があるかどうかが一番の見分け方になります。

産卵は、多いと数日かけて100個ほど卵を産みます。

卵も擬態能力が高くて、見た目は何かの種にしか見えないです。

その卵のまま冬を越して、春に孵化してきます。

卵の大きさが3mmほどに対して、孵化してくる幼体は10mmほどなのでどうやって入っていたのか不思議な感じ…

しかも、卵は蓋つきのような作りになっているので、観察のしがいがありますよね。

活動は、夜行性なので昼間は枝になりすましたじっとしていることが多いです。
暗くなってから、食事をし始めます。

トゲナナフシは擬態上手

擬態能力は高いので、上手に木に隠れていると意外とスルーしてしまうほどです。

道路にいても、真上からだと見事に色が同化しています。

卵から飼育が可能

トゲナナフシの卵

トゲナナフシは、卵から飼育が可能です。

とはいっても、卵を見つけるのは困難というよりもほぼ不可能なので、まだ幼体のエダナナフシを探してくるか、メスを連れてきて卵を産んでもらえばそこから飼育できます。

エサは、クヌギ、ナラ、ヤナギ、バラ科、ハイビスカス、ヤツデなど幅広く食べるので手に入れやすいですから飼育しやすいです。

バラ科は、よく好んで食べるので、野バラが近くにあると育てやすいですね。
準備する時に、トゲが痛いですけど…

トゲナナフシは、ピンチになると自分の脚を切り離して逃げようとするので、その点は注意してあげてください。

トゲナナフシは見た目も面白いですし、なかなか色々な意味でレアな生物ですから、じっくり観察したいですね。

枝そっくりだから『エダナナフシ』

多く人に親しまれて、ペットとして飼う人も多い昆虫の代表のナナフシ。
今回は枝にそっくりなナナフシだから、そのままの名前で『エダナナフシ』。
ナナフシ(ナナフシモドキ)と並んで、最もメジャーなナナフシです。
個人的には、エダナナフシがナナフシの中で一番よく出会う種類ですね。

茶色の飛ぶナナフシ『タイワントビナナフシ』

パッと見はどこにでもいそうなナナフシだけどなんだか色が薄いような...
と思っていたら、飛んで逃げていくしササッと歩いて逃げていく!!

そんなナナフシを見かけたらそれは『タイワントビナナフシ』かも!!!!

冬を幼虫で越すちょっと変わったカマキリ『サツマヒメカマキリ』
あれ?何かカマキリの子供かな?? と思ってしまう大きさだけど、立派な大人のカマキリなのが『サツマヒメカマキリ』。 そっくりで区別しにくいヒナカマキリがいますが、サツマヒメカマキリは生態がちょっと特殊だったりするちょっと変わったカマキリです。
小さい日本唯一のハナカマキリ科『ヒメカマキリ』

見るからにカマキリだけど子供なの??と思える体型なのが『ヒメカマキリ

小さいけど立派な成虫なんです。
翅もしっかりとありますから明らかに違うのが分かると思います。

見た目も小さくて変わっていますけど種類も変わっていて、日本では唯一のハナカマキリの種類に入るカマキリなんです!!