マダラサソリ (Isometrus europaeus)
【種類】 キョウトウサソリ科 マダラサソリ属
【分布地域】 沖縄
【活動時期】 1年中
【エサ】 シロアリ、ワラジムシ、コオロギの幼虫など
【大きさ】 オス70~80ミリ メス60ミリ
クモ綱に俗するサソリですが、日本には自然に生息しているサソリが2種類だけいます。
そのうちの1種類が、『マダラサソリ』です。
モドキではなくて、本物のサソリです。
とは言っても、バリバリのいかにも強そうなサソリのイメージとはちょっと違ったか弱い感じ…
そこがまた魅力なんですけどね。
いまでは特定外来生物になっているので、捕まえて持って帰ってきて飼育することができないのが残念…
マダラサソリの毒
サソリと言えば強烈な神経毒の持ち主で刺されたら最後、死に至ることも珍しくない…
そんなイメージですよね。
しかも、特に毒性が強いのが「キョクトウサソリ科」です。
マダラサソリも、そのキョクトウサソリ科となっています。
でも、マダラサソリに関してはその毒が極端に弱いんです。
極端に弱いだけであって、無毒ではないのがポイント。
刺されるとちょっとは痛いわけです。
でも、チクッとするだけで、それほど腫れることもなく赤くなって1時間もすれば落ち着く程度…
もしかしたら、刺されても気付かないかも…
そもそも、積極的に刺そうとすらしないし、刺してきても刺す力が弱いんです。
なので、石垣島を中心とする先島諸島に行った時に、サソリに注意!!
なんてことにはならないのでご安心を。
・刺そうという気が基本的にない
・刺す力が凄く弱い
マダラサソリの情報
マダラサソリの分布
国内での自然分布は、沖縄県の先島諸島のみです。
写真を撮った場所は、日本最西端の島となっている与那国島です。
先島諸島では、決して珍しい生き物ではないですね。
小笠原諸島にも生息しているのですが、誰かによって持ち込まれたものが繁殖している人為分布となっています。
国外だと、台湾、アジア、中米、オーストラリア、アフリカなどの、熱帯、亜熱帯、温帯の地域に広く分布しています。
マダラサソリの特徴
ベースの色はちょっと透明感のある褐色系です。
でも、ツヤはないマットな感じですね。
そして、マダラサソリの名前の由来の通り、黒に近い濃い褐色系のマダラ模様が全体に入っています。
背中の模様は、規則正しく入っているので脚や針のついている尾の部分が主にマダラ模様に見えます。
鋏(ハサミ)は、いかにもガッチリした形ではなく、細くてシュっとした鋭いスリムな形をしています。体も全体的にスリム感のある体型ですね。
日本に生息するもう1種類の「ヤエヤマサソリ」とは、大きさも見た目も明らかに違うので間違うことはないですよ。
マダラサソリの住処
よく見かけたのは、海の砂浜にある流木の下にいるので転がせば隠れています。
砂浜にある大きな石や漂流物などの下にもいますけど、やっぱり流木か朽ち木の下がいいですね。
でも、湿っているよりも乾いたサラサラの砂の場所でないといないので、満潮になっても波が来ない所でないと住み着いていないです。
ジメジメはあまりお好きではないようです。
サソリは砂漠のイメージがありますけど、砂漠のようにサラサラした砂を好むんでしょうね。
マダラサソリの生態
もともとの在来種ではなくて江戸時代に何かしらの方法で先島諸島に入ったようです。
基本的には、おとなしくて臆病なので、自分から針で刺そうせずに逃げそうようするぐらい攻撃性はないです。
エサは、シロアリやワラジムシ、コオロギの幼虫など小さな虫を食べて生活しています。
マダラサソリに限ってではなくてサソリの生態としてですけど、産卵はお腹の中でして孵化してから生殖口から赤ちゃんサソリを産み出します。
そして、全部の子供を背中に背負って2齢幼生まで生活します。
マダラサソリも同じように、背中に20匹ほどの子供を背負って生活しています。
凄く子煩悩な生物なんですよね。
ちょっとコオイグモのような性質もあるような感じですね。
マダラサソリは特定外来生物
非常に残念なのは、マダラサソリは特定外来生物に指定されてしまったことです!!
なので、現在(2019年時点)では特定外来生物被害防止法によって飼育はできません…
私がまだ与那国島に住んでいた時には、特定外来生物にはなっていなかったんですけどいまは飼いたくても飼えないんです(涙)
毒も害がないのに…
飼いたい度はMAXなんですけど、飼えない歯がゆさがありますよね。
ここまで紹介したので、飼いたい人もいると思いますけど3年以下の懲役や300万円以下の罰金を科されてしまうので諦めてください。
サソリそのものが全部、危険生物として特定外来生物に指定されていますので。
なので、先島諸島に遊びに行った時には海に遊びにいくついでに、ちょっと流木や朽ち木をひっくり返して見てみてください。
きっと、ヤモリかマダラサソリに出会うことができますから。
そして、是非ともインスタかTwitterに載せてください。
なんといっても、場所が限定されている分レア度の高い珍しい生き物ですから♪