ふとした出会いからイシガケチョウの幼虫に出会って家に育てることにしたのが始まり。
雨上がりの日に、娘と二人で歩いているとイヌビワの葉にパッと目に入る幼虫が…
幼虫がまた可愛くて、目が合ったら連れて帰りたい衝動が抑えきれずにサクッと2匹我が家に連れて来たわけです。
その幼虫たちが羽化して蝶になったら、派手さはないけどそれはそれは素敵なステンドグラスのようにキレイな蝶でした!!
イシガケチョウ(Cyrestis thyodamas)
【種類】 タテハチョウ科 イチモンジチョウ亜科
【分布地域】 本州・四国・九州・沖縄
【活動時期】 4~11月
【エサ】 花の蜜
【大きさ】 25~35ミリぐらい
どちらかと言うと蝶は動きが速いので、あまり写真に撮る方ではないんですけど、あまりにも幼虫が可愛くて育てたくなって初めてイシガケチョウを間近で見ることになりました。
イシガケチョウは分布している地域も限られていますし、普段はタテハチョウ科だけあって反応も動きも速いですからね。
私のようなのんびりタイプにはなかなか付いていけないもので…
なので、育ててしまえば間近でじっくりと見れたため、今回イシガケチョウの情報をまとめることができました。
イシガケチョウの幼虫も可愛いタイプ
幼虫のタイプ的には、棘状の突起があるわけではないイモムシでゴマダラチョウやオオムラサキなどの顔にツノが2本ある顔しています。
でも、イシガケチョウの幼虫はツノから真っ直ぐに黒いラインが顔にかかってくる感じがなんとも愛嬌があって、何かのキャラクターのようにも見える可愛さがあるんです。
この顔で見つめられたら家に連れて帰ってじっくり観察していたくなりますよ絶対!!
体には、真ん中とお尻の辺りに棘状の大きな黒い突起がドドンッとありますけどこれがまたチャームポイントになっています。
毒があるわけではないので、触っても問題ないですから可愛いさアップですね。
色は、小さいうちは褐色系ですけど、成長と共に緑色が混じり始めて最終的には鮮やかな緑になります。
この色合いがまたキレイなんですよ。
褐色系と緑が混じっている時が個人的には好きなんですけど、淡い感じで色づく前のイチヂクのような感じで癒されますね。
イシガケチョウは、こう見えてもタテハチョウの仲間になります。
よく見れば確かにそんな雰囲気があるんですけど、翅の形が独特で繊細な感じがする蝶です。
イシガケチョウの情報
イシガケチョウの分布
南方系の蝶なので沖縄県では八重山諸島まで分布しています。
本州のでは、ひと昔前までは近畿地方以西の分布でしたが、徐々に分布を広げているので、徐々に見れる地域が増えているのでいままで見れなかった場所でも出会えるようになっていくでしょう。
イシガケチョウの特徴
イシガケチョウは、イシガキチョウとも呼ばれていて混合する人もいるかもしれませんね。
漢字で書くと、石崖蝶(イシガケチョウ)と石垣蝶(イシガキチョウ)となっています。
名前の由来は翅の模様が石垣模様に似ていることからきているのですが、石垣蝶(イシガキチョウ)という呼び方は昔の呼び名で人口物のイメージが強いので、石崖蝶(イシガケチョウ)の方が自然と言うことで、いまは石崖蝶(イシガケチョウ)と呼んだ方がいいみたいですよ。
それで、一番の特徴は白をベースにした翅に石垣が並んでいるかのように黒いライン模様が入っていることです。翅の模様は、左右対称になっています。
このライン模様がキレイで、なおかつ翅の形も独特の繊細な形をしているので、まるでステンドグラスのような雰囲気がでているんですよぉ~
この石垣模様は、個体差によってラインの入りぐらいが違うわけではなくて、色の濃さに違いがあるぐらいで同じライン模様です。
タテハチョウカラーとも言える茶色というかオレンジ系の褐色カラーが強いのがメスで、黒っぽいのがオスと言われていますが、それは夏型だけで秋型の子たちは両方とも黒っぽくなる傾向があるようです。
とりあえず、茶色のイシガケチョウはメスなのですぐに分かります。
同じメスでも、白地が薄い茶色のタイプもいます。
イシガケチョウの住処
平地から山地にいると言われていますけど、私の地域ではちょっとした山地の方の方がよくいます。ちょっとした展望台があるような小高い山のような所です。
森や林などの自然の多い場所にいるので、私と同じで街中はあまり好まない自然派主義みたいですね。
でも、うっそうとした森よりも日がよく当たる方場所の方が好きなタイプです。
イシガケチョウの生態
イシガケチョウは、年に2回夏と秋に羽化してでてきます。
秋とは言っても九州や本州の場合で、沖縄など気温が高い地域では12月を過ぎてる冬の時期にも羽化します。
どちらにしても出会える確率は2度訪れるわけです。個人的には、最初の夏に出てくる「夏型」の子たちの方が数は多いように感じますね。
今回育てた子も、「夏型」の幼虫でした。
花の蜜や、地面に染み出たり山から流れてきたキレイな水を飲んでいます。
でも、木の花の蜜など高い所にいることが多いように感じます。
なので、水を飲みに来ている時は写真を撮るチャンスですね!!
基本的には、翅を開いてとまっていることが多いので、普通の蝶とは逆でなかなか閉じた状態になってくれないほどいつも翅を開いています。
だからなおの事ステンドグラスのように見えるんですけどね。
ある意味では、写真映えしやすいのでありがたいんですけど。
越冬は、成虫の状態で冬を越します。
なので、あまりにも寒いと生きていけないでしょうから分布域を広げてはいますけど、ある程度の限界があると思います。
イシガケチョウのおまけ情報
様々の蝶をモチーフにしたウイスキーの「マルスモルト ル・パピヨン」のシリーズの中に、イシガケチョウが入っているんです。
マルス津貫蒸溜所で熟成されたシングルカスクウイスキーで464本だけの限定生産品!!
オークションで、1本4万円も超えるなかなかの存在…
いまではそうそうお目にかかれる品物ではないですけど、ウイスキー好きはもちろん蝶好きにとっても傍に置いておきたい逸品です。
しっかりと、ボトルのラベルと箱に翅を開いた状態のメスのイシガケチョウが描かれていますからね。
ちょっとした、おまけの情報でした。