ソテツの葉をガシガシ食べる『クロマダラソテツシジミの幼虫』

クロマダラソテツシジミの幼虫
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

クロマダラソテツシジミの幼虫はどんなイモムシ?

時期
8~11月

エサ
ソテツの新葉

大きさ
9~10ミリぐらい

分布地域
本州・四国・九州・沖縄

ソテツの葉は硬くて害虫なんていないような植物ですけど、クロマダラソテツシジミの幼虫がいます!!

なんと、あのソテツを見事に無残な姿に変えてしまうほど、ガシガシと食べてしまうからです!!

成虫の蝶はキレイでかわいい蝶なんですけどね。

ソテツに卵を産みにくる小さなキレイな蝶『クロマダラソテツシジミ』
ソテツの葉の周りをフワフワと飛びまわり卵を産みにくる小さなチョウが『クロマダラソテツシジミ』です。

しかも、パッと見はいることに気づきにくいんです…

クロマダラソテツシジミの幼虫に毒はあるか

クロマダラソテツシジミの幼虫とは

モンシロチョウやアゲハチョウの幼虫のように、いかにもイモムシです!!
といった感じではないです。

むしろ、刺されると強烈に痛いイラガの幼虫のような見た目をしています。

緑の太いトゲトゲの激痛をもたらす毛虫『ヒロヘリアオイラガの幼虫』
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とはいっても、クロマダラソテツシジミの幼虫には毒はありません。

刺すような毒毛は、全くないので安心してください。

ソテツの葉が大好物

クロマダラソテツシジミの幼虫

ソテツの葉を食べるのですが、硬くなる前の新葉を狙って食べます。

硬く成長した葉には目もくれず、生え初めの新葉の先の方からガジガジして食べていきます。

なので、成長した葉の先は全部ボロボロになってしまい思うように伸びないです。

枯れてしまうほど食べ尽くすわけではないですけど、かなり不格好な見た目になってしまいます。

アリと仲がいい共生関係??

アリと協力関係にあるクロマダラソテツシジミの幼虫

クロマダラソテツシジミの幼虫の周りにはよく、アリがたくさんいます。

クロマダラソテツシジミの幼虫をエサにしようとしているのではなくて、何かしらの協力関係ができているようです。

アブラムシが吸った植物の汁をお尻から出すのをもらう代わりに、アリがテントウムシの幼虫から守ってあげるという助け合いが成り立っている共生関係にありますけど、クロマダラソテツシジミの幼虫も同じような関係にあるのかもしれないです。

体の上を普通に歩いていって何かをもらっているようにも見えますので。

お尻からというよりは、体のどこかから分泌液をだしているようです。

顔は実は隠れている

クロマダラソテツシジミの幼虫

ソテツの葉に付いている時は、ただの緑のイモムシにしか見えないですよね。

でも実際には、黒っぽい茶色系の色をした小さな顔(頭部)があるんです。

ペタッとソテツの葉にくっ付けて、顔を隠すようにして生活しているのでなかなか顔を見る機会はないと思います。

そもそも、1センチほどしかないので、顔は1ミリ程度しかない小さな顔なので。

じっくりと見るとなかなかカワイイ顔なので、機会があればぜひ見てみてください。

脚も小さくてカワイイ

クロマダラソテツシジミの幼虫

ペタッとソテツの葉に付いているので脚はどこ??
といった形ですよね。

裏返してみると、ちゃんと小さな胸脚は生えています。

しかも、凄くカワイイ小さな脚です!!

改めてちゃんと観察のしがいのある、なかなか可愛らしい造りですね♪

このカワイイ脚で、しっかりとガシッとベタッとソテツの葉に付いているんです。

赤と緑の幼虫

クロマダラソテツシジミの幼虫

幼虫の色は2色あって、緑タイプと赤タイプがいます。

緑タイプには、見事なキレイな緑と赤っぽい緑の個体がいたりします。

赤タイプは、真っ赤かちょっと茶色よりといった感じです。

緑タイプは、葉に付いている時に全然目立たないですけど、赤タイプは、新芽のまだフサフサがついている時の葉では目立たないです。

卵や蛹は分かりにくいところに…

クロマダラソテツシジミの卵の殻

幼虫の時期は探しやすいんですけど、卵は新芽になる前のフサフサの部分や新芽のまだ巻いている葉のに目立たないように産卵するので、ただでさえ小さい卵がさらに見つけにくいです。

ソテツを守りたい人にとっては、卵を先に発見しようとしてもなかなか見つけられないかもしれないです。

クロマダラソテツシジミの蛹の殻

蛹になる時には、フサフサした葉になる付け根の部分や幹の窪みの中に潜り込むような形で蛹になります。

幼虫の時はたくさんいたのにあの幼虫たちはどこのいったの??
と思えるくらい、見事に潜り込んでいきます

クロマダラソテツシジミの幼虫は飼育可能

クロマダラソテツシジミの幼虫を飼育する

ソテツの葉があれば、飼育は可能です。

もともとは、温暖な地域のシジミチョウの種類になるのですが、その地域に適応しているので採取した場所の気温に適応しているはずなので、極端に寒くならないようにしてあげれば問題なく飼育できます。

ただし、15度以下にならないようにした方がいいです。

成虫は、15以下で弱ってしまうので羽化した時にすぐに弱ってしまうからです。

もしくは、蛹にから羽化しないで越冬モードになる場合もあります。

5℃以下になると死んでしまうので、15℃より低くならないようにしてあげるのが大切です。

逆に、もともとは熱帯や亜熱帯の蝶なので、高温や湿度にも強い傾向があります。

エサは、ソテツの葉が手に入りにくい時には、マメ科の植物をたべるので、インゲンの豆の部分をエサにしている方の情報があったので、インゲンの豆の無農薬があればソテツがなくても育てることができます。

マメ科の植物が代替のエサになるので、温度が低くなりすぎないようにさえできれば飼育はそれほど大変ではないと思います。

クロマダラソテツシジミの幼虫からソテツを守るには

クロマダラソテツシジミの幼虫よりもソテツを育てたいので、なんとしてもソテツを守りたい!!
という方もおられると思います。

クロマダラソテツシジミの幼虫には寄生バチが天敵なのですが、大量に発生した場合には寄生される幼虫はかなり限られてくるので数が減るほどの効果はないです。

なので、一般的な対処法は薬剤を使用するしかありません。

効果が試されているのが、ホームセンターなどでも売られているトレボン乳剤です。

希釈は、2000~4000倍でいいそうです。

あまり、薬を使いたくない場合は、ソテツの葉を激しく揺らすことで落ちてくる幼虫を1匹1匹捕殺することもできます。

個人的には、できればそっと見守ってもらいたいタイプなのですが、虫好きか植物好きかの問題になるし大量発生が続くとさすがのソテツも枯れてしまうので、状況にあった方法で対処されるといいと思います。

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