枯れ葉そっくりでカブトムシに似ている蛾??『アケビコノハ』

アケビコノハ
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

アケビコノハ(Eudocima tyrannus)

学名 Eudocima tyrannus
種類 ヤガ科 エグリバ亜科
分布地域 北海道・本州・四国・九州・沖縄
活動時期 5~10月
エサ 果実の汁
大きさ 95~100ミリぐらい

枯れ葉みたいな蛾(ガ)は何種類かいるんですけど、『アケビコノハ』もかなり枯れ葉にそっくりです。

アケビで産まれ育つのでアケビの枯れ葉に似ていると思いますが、そこまでアケビっぽい感じもないので、何かしらの枯れ葉ということにしておきます。

でも、枯れ葉感はもの凄くでているのでインパクトは絶大です。

10センチぐらいのサイズなので、ガの中でも大きい方ですから存在感が強いので出会えるとテンションが上がるのは間違いなしです!!

ちなみに、「アケビコノハをつけたくなるのですが、「アケビコノハ」が正式名なので覚える時には間違えのないように気をつけてください。

アケビコノハは毒や害はあるのか

アケビコノハは毒や害があるのか

見た感じから分かるように、目だって生きているタイプではないです。

毒をもっていて危険信号の色でアピールしたりするタイプの真逆で、ひっそりと身を隠してバレないように生きていく保護色の擬態名人です。

なので、もちろん毒はありませんし噛みつくこともありません。

鱗粉アレルギーの方はいつものことではありますが注意してください。
比較的、鱗粉が落ちにくい方なのでそこまで気にしないでも大丈夫だと思いますが、なんせ体が大きいですから。

害にあるようなことも特にありません。
と言いたいところなのですが、果物を育てている人たちにとっては意外と害虫として扱われているんですよね。

モモ、リンゴ、ナシ、ブドウ、アケビを育てていると、それらの実が甘くなる時期に穴を開けて汁を吸うので、商品にならなくなったりするおそれがあります。

生活がかかっている人たちにとっては死活問題になりますから、大群で発生するわけではないのでそこまで厳重注意されていないかもしれないですけど、農業界では害虫として扱われている存在となっています。

それ以外は、特に害になるようなことはないので、安心して観察したり楽しむことができます。

アケビコノハのカブトムシ似?の顔

アケビコノハの顔はカブトムシ似?

なんとも立派なツノがあるので、カブトムシ似ていませんか?
個人的には凄く似ているように感じるんですけど、おそらく分かってくれる人もいることでしょう。笑

立派なツノに見えるのは下唇鬚(かしんしゅ)という部分で、漢字が示している通りで人間でいうところの下唇ような部分といわれています。

触覚のような働きをしたりと色々と意味があるのですが、アケビコノハはガの世界の中でもかなり立派な、いやっ立派すぎる下唇鬚の持ち主です。

枝に似せてるデザイン面もあるんでしょうけど、先端で二又に分かれている所とは本当にカブトムシっぽさがでるほどのもはやツノです。

アケビコノハを裏から見るともっとカブトムシ似?

どうやら、下唇鬚は自分のタイミングで二又を一本にくっつけられるみたいですね。

しかし裏から見ると、また違った意味で顔がカブトムシ似の雰囲気でてますよね。

カブトムシ好きさんからしたら怒られちゃうかもしれないですけど、この雰囲気もあってアケビコノハは凄く好きなんですよねぇ~

アケビコノハの情報

アケビコノハの分布

生息域は広くて環境適応に優れているようで、地域差はありますが日本国内の全域に分布しています。

沖縄は、石垣島や西表島までのデータはあるようですが、それ以外の離島は不明です。

国外では、台湾、中国、インド、マレーシア、ボルネオ、スマトラなどにも生息しています。
東南アジアではほかにも分布しているようなので、世界的に親しまれているガです。

アケビコノハの特徴

特徴は言うまでもなく、枯れ葉にそっくりな所ですね。

そして、ツノのような鼻のようにも見える下唇鬚(かしんしゅ)が、長くて立派だということです。

種類としてはヤガ科になります。

アケビコノハの特徴

翅の枯れ葉模様は、光の加減で茶色に見えたり薄く緑がかかったような色になったりします。
見事な枯れ葉を演出できるようになっている仕組みですね。

写真にも載せてありますけど、翅に緑の苔のような模様があります。
個体差なのかオスかメスかに入る模様なのかはちょっと分からないですけど、ほぼ同じ場所に苔模様は入るようです。

アケビコノハは隠れている後翅(こうし)が派手な色をしています。

オレンジに目玉模様がはいっているので、幼虫の時の目玉模様をこの翅に受け継いでいるかのようです。

アケビコノハの後翅

本当はもっとキレイに翅を開いてくれればよかったんですけど、黒い模様が目玉のようになっていたり、ちょっと崩れていたりは個体差があります。

危険を感じた時に、表の見事な枯れ葉模様から急にオレンジのに目玉模様を見せることで相手を驚かすのに効果的なギャップとなっているんですね。

この模様は幼虫の時のものが受け継がれているように感じます。

目玉模様が特徴のアケビコノハの幼虫
アケビコノハの幼虫はかなり個性的な目玉模様なので、惹かれる人には惹かれるけど苦手な人にとっては直視できない模様をしている幼虫かもしれないです。 よく見ると細かい模様も含めて芸術的なデザインが施されているので、個人的にはその可愛さにメロメロになること間違いなしなんです!!!!

脚には、枯れ葉模様の中では目立つ丸い白い模様が入っています。

複眼が体の割合に対して大きくてちょっと飛び出ているので、目がギョロッとした感じに見えます。

アケビコノハの住処

基本的は、森や林などの身を隠しやすい場所に潜んでいます。

特に、エサとなる果物が近くにあればその周辺にいることがあります。

夜間の電灯などの灯火にも飛んでくることがあるので、近くにアケビが生えていそうな森や林の近くの街灯などでも出会うことができると思います。

アケビコノハの生態

空を見上げるアケビコノハ

アケビコノハは、幼虫の時にアケビやムベなどの葉を食べて生活しています。

なので、庭に植えているアケビやムベを植えている場合は、そこに卵を産み付けて成長する場合があります。

探してみると分かるのですが、どのアケビやムベにいるわけではなくていない所にはアケビが生い茂っていてもいないです。

年に2回発生して、果物の汁を吸いに2回目に羽化した成虫はモモ、リンゴ、ナシ、ブドウ、アケビなどを求めて移動します。

アケビで幼虫時代を過ごすので、アケビの実の汁だけかと思いきや結構色々な果物を食べるんですよね。なので、結構しっかりとした口(口吻)の持ち主なわけです。

2回目に発生した成虫たちはそのまま耐えて冬越しします。

なので枯れ葉模様は、特に冬を越す成虫たちにとって真価を発揮することになりますね。
枯れ葉に紛れて身を隠しのにうってつけですからね。

アケビコノハの手乗り

アケビコノハは、幼虫から見つけることができれば育てるのは比較的育てやすいので、芋活にも是非チャレンジしてみてください。

アケビの葉っぱさえちゃんと手に入れば、スズメガの幼虫のようにモリモリ食べるタイプではないのでお世話しやすいですので。

お別れ前のおまけ

アケビコノハとコスズメガの2ショット

今回使っている写真は、自分の家で育て幼虫のアケビコノハでした。

大体育てた子たちは、娘が手に乗せてからお別れするのですけどたまたま、コスズメが遊びに来ていたので、せっかくなので無理矢理ですけど2ショット写真を撮らせてもらいました。

もっと上手に撮れればよかったんですけど急きょコスズメにオファーしたので、おまけとして最後にちょっこと載せさせていただきます。笑