ピーマンにたくさん付いている茶色のカメムシ『ホオズキカメムシ』

ホオズキカメムシ
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

ホオズキカメムシ (Acanthocoris sordidus)

学名 Acanthocoris sordidus
種類 ヘリカメムシ科 ヘリカメムシ亜科
分布地域 本州・四国・九州・沖縄
活動時期 4~11月
エサ ナス科の植物の茎から汁を吸う 
大きさ 14~17ミリ

ホオズキにたっぷりと集団でいるので『ホオズキカメムシ』と名付けられたカメムシです。

でも、ホオズキだけでなくナス科の植物に付くので、ピーマンやトウガラシ、シシトウなどの野菜にも集団で茎の汁を吸ってしまう害虫として有名な昆虫です。

カメムシは臭いというだけで、嫌われているのに野菜にも害になるのでちょっとした嫌われ者扱いな一面がある茶色のカメムシ。

臭くないのに臭いという汚名まで着せられてなんて不名誉なことでしょう…

ホオズキカメムシは臭くない

ホオズキカメムシは臭くないので手に乗せても大丈夫

カメムシなんだから臭いでしょ!!
と言われてしまいそうですけど、カメムシによって臭いが違うんですよ。

特に、ホオズキカメムシは臭くないです。
信じられないかもしれないですけど、強烈な臭いは全然しません。

手で持ってもなんの問題もないです。
手乗りカメムシOKです。

でも、ちょっと肉眼では確認しにくいですが、他のカメムシと同じようにちゃんと臭い液体を出す穴は中脚と後脚の間にあります。

昆虫食の中では、ホオズキカメムシはちょっと甘みがある酸味で、臭いも嫌になるほどでなく爽やかな風味と言われていますから、実際にそれほど臭いがきつくないカメムシなんですね。

ホオズキカメムシの情報

ホオズキカメムシの情報

ホオズキカメムシの分布

北海道までには分布していないカメムシです。

国外だと、台湾、中国などにも分布しています。

ホオズキカメムシの特徴

ホオズキカメムシは細かい毛で覆われている
細かい毛でフサフサ

色は、濃いめ茶色がベースでツヤはないザラザラした質感です。
よく見ると、細かい毛がたくさん生えています。

腹部の側面というかフチに沿って太めのシマ模様がチャームポイントになっています。

そして、後脚が太くてムキムキしています。
野球選手のように鍛えられたような脚です。

触覚は、4節に分かれていますけどクセのない真っすぐな触覚です。

ホオズキカメムシの住処

ホオズキや、ピーマン、トウガラシ、シシトウ、ナス、サツマイモ、トマトなどの茎の汁を吸うのでそれらの植物の辺りによくいます。

たまに、干してある洗濯した服などにも付いていることもあります。
基本的には、植物にいることが多いですね。

ホオズキカメムシの生態

ダニにつかれているホオズキカメムシ

基本的には、エサとなる植物に集団で集まっています。
集まっているのはメスで、1匹のオスがその集団を自分のものにしています。
そのため、オスは縄張り意識が強いです。

卵を葉の裏に10~30個ほど産むのですが、その子供たちが集まっているのではなくて子供はそれぞれのエサ場を求めて移動し、メスが集団になってそこに1匹のオスが縄張りを作っているのです。

エサになる植物は、ホオズキ、ピーマン、トウガラシ、シシトウ、ナス、サツマイモ、トマトなどで、他にもアサガオなどの茎の汁も吸います。

実の汁はほとんど吸うことはないんですけど、茎の汁を吸われ過ぎると植物の成長が著しく低下してしまうので、収穫に影響してきてしまうので害虫とされているわけです。

臭くないのに、臭いと思われていますしね…

ホオズキカメムシから野菜を守るには

ホオズキカメムシのストローのような口

昆虫とはいつも共存していくことが大切なので、農薬でスパッと退治してほしくないのが個人的な思いです。

なんといっても、意外とホオズキカメムシの食害は葉っぱを食べるわけではないので、影響力はそこまで大きくないですから。

直接的に、収穫物を食べるわけでもないので被害も実際にはそれほどでません

でも、集団で寄ってたかってくるものだから嫌われているんですよねぇ。
臭いと思われていますし…

なので可能な限り、無理なくお互いに良い方法で撃退していきましょう。

ホオズキカメムシを寄せ付けない

ホオズキカメムシ

一番は、ホオズキカメムシが来なければいいわけです。

じゃあ、どうすればいいのか。

雑草をしっかりと抜いておく

以外とこれだけでも、予防できたりします。
ホオズキカメムシは成虫の状態で越冬します。

枯葉や枯草などに紛れて冬を越すので、それらをキレイに片付けてから苗を植えたり種をまいていくわけです。

そして、雑草をこまめに抜いておけば生活環境的に落ち着かないので、肝心の野菜にもなかなか来ないという流れです。

場合によっては、マルチをしておけば地熱も上げられてピーマンやナスなどの野菜にももってこいですし、ホオズキカメムシも近づきにくくなります。

ホオズキカメムシが集団で付いていたら

ガッツリと集団で野菜に付き始めたらどうするのかといいますと…

諦めてください!!
とはいかないので、ちょっとどこかにいってもらいましょう。

ホオズキカメムシを追い払う

ピーマンみたいにしっかりとした茎だと、ちょっと茎を揺らせばほとんどのホオズキカメムシは落ちていきます。

「やったあぁ!!これで解放されたぁ!!!」
と思ったらすぐにホオズキカメムシは帰ってくるんですよね。

なので、茎を揺らす前に何か受け皿になるビニール袋や何かの容器などをセットしてから全部落としてまとめてどこかの空き地などに解き放ってあげてください。

すぐ近くだと、またせっせこ帰って来てくれるので遠い場所がいいです。
でも、近所でナス科の野菜を育てているところに逃がすと迷惑になるので注意してくださいね。
最悪な嫌がらせになりますから。

むやみに殺してしまうぐらいなら、いっそのことまとめて炒って食べてしまうのもありです。
私はまだ食べてないですけど、美味しいらしいので。

予防にショショッと

追い払った後かまだホオズキカメムシがいない段階でないといけないですけど、木酢液や竹酢などを茎に撒いておけば予防になります。

もろに農薬よりは、土にも身体にも影響が少ないですので。

焼酎にトウガラシをいれて漬け込んだものも良かったりします。

野菜にも自分のためにもそしてホオズキカメムシにも、農薬を使わないに越したことがないですからね。

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