クロシタシャチホコ(Mesophalera sigmata)
【種類】 シャチホコガ科
【分布地域】 北海道・本州・四国・九州・沖縄
【活動時期】 6~9月
【エサ】 食べない
【大きさ】 52~58ミリぐらい
全体的に灰色でマダラ模様のように見えるちょっと大きめの『クロシタシャチホコ』
色は地味で擬態しやすいようですけど、体が大きいので結構目立つ存在です。
でも、この蛾はシロシャチホコやバイバラシロシャチホコに似ていて区別するのがちょっと大変…
大きさや模様で違いを見分けることができるんですけど紛らわしい…
それはさておき、この蛾は大きさ的に観察しやすいサイズなうえによく見るとかなりカワイイ癒し系なんです♪
クロシタシャチホコは毒や害はあるのか
かなり存在感がある蛾なので、ある意味では威圧感すら感じかもしれないですね。
でも、毒も害もないので安心して近づいちゃってください♪
ただのカワイイ蛾でしかないですから。
幼虫の時の食草は、ツバキやヤブツバキのなのですが、チャドクガの幼虫のように集団で寄ってたかって葉っぱを食べ尽くしてしまうようなこともないので問題ないでしょう。
クロシタシャチホコの顔は癒し系
個人的にシャチホコガ系の蛾が好きなのもあるんですけど、このクロシタシャチホコはとっても可愛い顔の子なんです。
このモフモフ感といい、下を向いてジッとしている感じといい、もうなんとも言えないカワイイ雰囲気がにじみ出ているんですよねぇ~
なんかペットにしたくなる顔してませんか??
ちょっと灰色のマダラ模様の感じがフクロウのような、ある意味チンチラのような雰囲気があって最高にカワイイ!!
クロシタシャチホコの情報
クロシタシャチホコの分布
全国的に分布しているメジャーの蛾とされているのですが、北限は新潟県と宮城県辺りとされています。北海道でも過去に発見されていたのですが、現在では出会える可能性は極めて稀の稀となっています。
宮崎県では準絶滅危惧になっているので地域によっては発見しにくいと思います。
国外では、台湾、中国、朝鮮半島にも分布しています。
クロシタシャチホコの特徴
全体的に暗めの灰色と茶褐色系で、その時の毛並のタイミングによってマダラ模様のように見えます。基本的には、ハリネズミのような色合いが一番いい例えのように感じます。
翅には模様が入っていますけど、個体差によって全然ないものからハッキリとしているものなど差が結構激しいです。
翅の縁(外縁線)に細めの帯模様が入っていますけど、これもやっぱりハッキリとしていないですね。全ての帯模様は、真っすぐではなくて波打った形をしています。
全体的モサモサしていて、脚もかなりのモフモフ感があります。
このモフモフ感がチャームポイントになっているわけです♪
クロシタシャチホコの住処
幼虫の時はツバキ、ヤブツバキ、ユキツバキといったツバキ科の葉を食べているので、その周辺辺りが出会える率が高いです。
とは言っても、街灯などの灯火にもよく飛んでくるので街中などでも出会う事があります。
クロシタシャチホコの生態
クロシタシャチホコは地域差がありますけど、だいたい6月頃と8、9月の年に2回発生します。
冬の越冬は、蛹の状態で越すのでその蛹の子が6月頃に羽化するサイクルです。
名前の黒下(クロシタ)は、下の翅(後翅)が黒ではないですけど褐色系になっているのが由来となっています。
壁で休んでいる時は見つけやすいですけど、木の幹にいる時は体は大きいのに色合い的に擬態となって目に付きにくいです。
一見地味でいかにも蛾!!といった感じですけど、よく見るとカワイイモフモフの蛾なので是非じっくりと見てみてください。
なんとも優しい色合いで、つるっとした木の表面の見える『ウスキシャチホコ』 顔回りと前脚の白い毛がフサフサしているのがカッコイイ。ちょっと気品のある風格の蛾です。