

キイロスズメ(Theretra nessus)
【種類】 スズメガ科 ホウジャク亜科
【分布地域】 本州・四国・九州・沖縄
【活動時期】 5~10月
【エサ】 花の蜜など
【大きさ】 80~100ミリぐらい
とてつもない速さで飛ぶことのできるスズメガの種類の黄色バージョンの種類の『キイロスズメ』。
キイロスズメは成虫の蛾(ガ)の姿よりも、幼虫の時の方がお目にかかることが多いかもしれないです。
幼虫はヤマイモの種類の葉をボリボリと食べる、コロコロとした可愛らしい大きな幼虫ですから。
詳しくはキイロスズメの幼虫の記事をご覧になってみてください。
キイロスズメは害や毒があるのか
ちょっと黄色の色合い的には毒がありそうですけど毒はないです。
でも、見た目の割りに鱗粉が結構落ちやすいので鱗粉アレルギーの人は注意してください。
幼虫の時はヤマイモを育てている人にとっては困り者かもしれんが、成虫の蛾の状態では特に害になるようなことはありません。
噛みついてきたり、何かをかじってしまうな虫ではない、ただ花の蜜を吸って生活していますから。
蝶と変わらないいたって安全な存在です。
ただ、ヤマイモを育てる予定があったり育てていたりする場合は卵を産み付けにくるのでよくよく害になり得る蛾なのは間違いないです。
名前の由来ほど黄色ではない??
パッと見た感じでは、名前に黄色が付くほどは黄色ではないように見えますよね。
どちらかと言えば、緑が強いような印象が強いと思います。
抹茶のような色をしていてグラデーションが何とも言えない翅の色ですけど、実は腹部に黄色に近い太いラインが入っているのが由来のようですね。
しかも、その黄色系のラインはなんとも鮮やかで目をひく素敵なイエロー!!

光の加減によっては、この黄色い腹部がキラキラとしていてあなどれない美しさを秘めています。
パッと見は派手さがないですけど、よく見てみるとキレイ部分があったりするの観察してみる楽しみの一つですね。
キイロスズメの情報

キイロスズメの分布
国内では、北海道以外の地域に生息しています。
南限に関しては、八重山諸島でも確認されているので暖かい地方には強い種類のようです。
国外では、インドやオーストラリアなどにも分布しています。
キイロスズメの特徴

一番の特徴は、先ほども取り上げた名前に付けられているモフモフの黄色の腹部ですね。
全体的には緑系が広くて強いので黄色のイメージが沸きにくいですけど、横から見ると腹部はハッキリとわかるほどキレイに黄色になっています。
横から見ると分かるように、実は腹部から胸部の辺りまで黄色くなっています。
光に当たるとラメラメした感じでキラキラするのですが、暗めのところで見るとちょっとオレンジ系に感じる濃い黄色です。
そして、動物のように見事な毛並みのようです。

顔(頭部)や目(複眼)は抹茶のような色ですけど、脚はタイツを履いたように見事に白いので、このギャップがあるのが個人的には凄く好きなポイントです。
複眼は、スズメガの種類が全体的に大きくて可愛く見えるのが多いですけど、キイロスズメは色のせいなのかクリクリというよりはちょっとギョロ目な感じです。
キイロスズメの住処
日が暮れる時間帯までは、森や林、植木などで休んでいることが多いです。
意外と家の壁などにとまっていることもあるので、身近で生活していたりします。
夜になると、街灯や電灯などの灯火にも飛んできます。
キイロスズメの生体

幼虫の時期はヤマイモ科の葉を食べて生活していますが、成虫になったキイロスズメは花の蜜をハチドリのようにホバリングしながら蝶のように長い口(口吻)を伸ばして吸います。
スズメガの種類は、基本的に飛ぶ能力に長けている子が多いですけど、キイロスズメも自転車よりも素早く飛んだりホバリングしたりとできるので飛ぶことに関してのスペシャリストです。
立派な触覚で、パートナーになる相手のフェロモンを嗅ぎ付けて、交尾したメスはヤマイモ科の植物を察知して卵を産み付けます。
発生時期の5~10月の間に年2回は、サナギから羽化して成虫になります。
冬になる前の秋の時期の幼虫は土に少しだけ潜ってから蛹(サナギ)になって、そのままの状態で冬を越します。
キイロスズメは育てやすい

キイロスズメは幼虫の頃に出会えれば、ヤマイモの種類の葉が手に入れば比較的育てやすい幼虫でした。
しかっりと育てられれば、羽化した時が一層可愛く感じられます。
羽化した後は、手に乗せてから旅立つ瞬間はすごく感動するので、機会があったら是非ともチャレンジしてみてください。



