ドロバチにそっくりな蛾『ヒメアトスカシバ』

ヒメアトスカシバ
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

ヒメアトスカシバ(Nokona pernix)

学名 Nokona pernix
種類 スカシバガ科 スカシバガ亜科
分布地域 本州・四国・九州
活動時期 6~9月
エサ ???
大きさ 20~30ミリぐらい

パッと見、蛾ではなくて蜂に見える『ヒメアトスカシバ

見た目は見事に蜂ですね。
特に、私のように目が悪いと遠くから見たらもう分からないですよ。

何に擬態しているかというと、おそらくはドロバチの種類のオオフタオビドロバチに擬態しているようです。

本人に聞けないので、違うと言われるかもしれないですけど…

ヒメアトスカシバは毒や害はあるのか

蜂(ハチ)に似ているなら刺してくるのでは!!
と思うかもしれないですし、やっぱり体が反射的に警戒したくなりますよね。

でも、蜂(ハチ)のように、毒針があるわけでも毒があるわけでもないです。

口も蜂(ハチ)ではないので、噛みつくこともないです。

幼虫の時期も、へクソカズラの茎の中で育つので食害になるようなこともないです。

ヒメアトスカシバの情報

ヒメアトスカシバの分布

本州・四国・九州の分布なので、比較的狭い範囲にしかいないので限られた地域でしか見れない蜂のような蛾です。

国外での分布はないようです。

ヒメアトスカシバの特徴

ヒメアトスカシバの情報

見た目がドロバチ系にそっくりなのが最大の特徴です。

でも、蜂(ハチ)似てはいても蛾(ガ)なので、光沢感が違います。
背中の辺りは黒い毛のようにフサフサした感じで、脚の方までフサフサした感じになっています。

そして、翅(はね)もよく見ると前翅(ぜんし)は鱗粉がついていて、後翅(こうし)は透明ですけど縁に鱗粉があります。

お尻(腹部)は、黒と黄色のボーダー(横縞)になっていて、お尻の先は広げるとかなりモサモサした感じです。

対馬では、黒化型といって真黒になっているタイプのヒメアトスカシバがよく出てくるようです。

あと、蜂と違って、体の比率的に顔(頭部)がとても小顔さんです。

ヒメアトスカシバの住処

だいたい草むらにいます。

へクソカズラが生えている草むらの辺りの方がいいので、あまりガーデニングの庭にはこないかも…
庭には、むしろドロバチの方が来る可能性が高いですね。

ヒメアトスカシバの生態

ヒメアトスカシバの生態

擬態にも種類があって、ヒメアトスカシバはベイツ型擬態といって自分よりも強い毒のある生き物に似せています。

スカシバガ科は、全体的にベイツ型擬態の蛾でスズメバチに似せていたりするんですけど、ヒメアトスカシバが似せているのがオオフタオビドロバチなので、まだ分かりやすい方です。

黒と黄色の配色パターンなので、草の上にいればはっきり言って目立ってます。

また、見た目の割りにすばっしこくはないです。
じっとしていることが多いですし、飛び立つ時もそんなに慌てしい方のタイプでもないので観察しがいがありますよ。

蜂に似てても、やはり蛾なんだなぁと感じますね。

産卵は、ヘクソカズラの茎に穴(穿孔)を開けて中に卵を産みます。

そのまま、卵は孵化して中で生活して成虫になる時に初めて外にでてきます。

ヘクソカズラは臭いで有名で、なんとも不名誉な名前を付けられてしまった植物ですが、その中で生活するとはなかなかの強者ですね。

ある意味では、凄く安全なんでしょうけど。

こう考えると、かなり保守的ですよね。
卵の時から安全に茎の中で生活して、成虫になったら擬態で敵の目を眩ますんですから…

石橋を叩いて渡るタイプの蛾ってことですね。