淡い緑と茶色の毒があるようでない蛾??『ヒロヘリアオイラガ』

ヒロヘリアオイラガ
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

 

ヒロヘリアオイラガ(Parasa lepida)

学名 Parasa lepida
種類 イラガ科
分布地域 北海道・本州・四国・九州
活動時期 4~10月
エサ 食べない
大きさ 30ミリぐらい

昼間に太い腕…いや脚でまるで腕立て伏せをしながらじっと固まっているかのようなポーズをしていることが多い『ヒロヘリアオイラガ

なんだかチョコと抹茶のお菓子のような雰囲気を醸し出していますよね。

幼虫の時に、強い毒をもっているので意外と勘違いされている一面が…

ヒロヘリアオイラガは毒や害はあるのか

ヒロヘリイラガは毒があるのか

ヒロヘリアオイラガは、見た目がモフモフしていてトゲっぽい感じが毒のある雰囲気に見えますよね。

なんといってもイラガ科の種類になるので、幼虫の時は強い毒を持っているで有名な毛虫なので勘違いされています。

緑の太いトゲトゲの激痛をもたらす毛虫『ヒロヘリアオイラガの幼虫』
レア度   すばしっこい度  危険度   飼いたい度   毛虫に刺されると痒くなったりかぶれたりするイメージがあると思いますけど、実際には毒性のある毛をもっている毛虫はそこまで多くないんです。 でも、イラガの幼虫は全くの別格!!恐ろしいほど...

漢字だと「広縁青毒棘蛾」 になるので、成虫の蛾になっても毒があるイメージが強いみたいです。

しかし実際には、成虫の蛾の状態になると毒はないです。
チャドクガは、毛虫の時も蛾になっても毒があるのですが、このヒロヘリアオイラガはそのパターンではないです。

つまり、見た目がエメラルドグリーンのようなワサビ色のような抹茶のようなキレイな蛾ってことですね。

真っ正面からだとコウモリみたいな顔

ヒロヘリアオイラガの顔

真っ正面からの角度だと、ちょっとかわいいコウモリっぽさが出ています。

触覚の感じと目の大きさに加えて、脚を踏ん張っている姿勢なのがコウモリの雰囲気を出しているんですかねぇ。

なんか、こんな動物いるなぁ~って感じですよね。

ヒロヘリアオイラガの情報

ヒロヘリアオイラガの分布

関東以南になるので、それより北には分布していません。
でも、徐々に分布範囲を広げているので、今後は見かけるようになるかもしれないです。

というのも、インドや中国に分布している蛾が1960年代以降に日本に入ってきた外来種だからです。もともと暖かい地方の蛾なので、どんなにしても北海道まで広がっていく可能性は低いと思います。

ヒロヘリアオイラガの特徴

ヒロヘリアオイラガの特徴

色は淡い緑というか、エメラルドグリーンのようなワサビ色のような抹茶のような緑色がベースで、翅(はね)の縁が太い茶色の帯模様になっています。
この茶色の帯模様が太いので、縁(ヘリ)が広い(ヒロ)でヒロヘリになっています。

脚に茶色の毛がもっさり生えているので、ちょっと毒々しい感じに見えます。
おかげで脚が太く見えるので、筋肉隆々のマッチョ体質にも見えますよね。

形は、平らなぺったとして感じではなくて、三角おにぎりみたいになっています。
腕立て伏せをして筋トレ中のような格好をしていることが多いです。
実際は、そんなにムキムキの腕(脚)ではないんですけどね。笑

ヒロヘリアオイラガの住処

幼虫の時に、桜(サクラ)、柿(カキ)、紅葉(モミジ)、楠(クス)などに付くので、これらの木がある近くにいたりします。

なので、街路樹のある市街地にいることもあれば、庭木にいたり、公園にいることもあります。
よく、家やマンションの壁にいることもあります。

ヒロヘリアオイラガの生態

ヒロヘリアオイラガの生態

幼虫の時は、毒針毛は刺されると強烈に痛いです。
何度かうっかりやられた事があるんですけど、「グワッ!!!!」っと一気に衝撃のような激痛が走ります。でも、しばらくすれば落ち着くのでしつこくはないですけど。

そんな痛い幼虫は、必ずではないですが年に2回成虫になって出てきます。
蛹(さなぎ)で冬を越した組が初夏に、その後に産まれた子たちが秋ごろに出てきて卵を産んで、また蛹(さなぎ)で越冬するわけです。

その痛いのは関係ないんですけど、外来種なのもあって 日本の侵略的外来種ワースト100にランクインしている生き物でもあります。

成虫の蛾になると、口(口吻)はないのでエサを食べることなく過ごします。

毛虫の時は危険生物ですけど、成虫になってしまえば短い間しか遭遇できない緑色が素敵でかわいい蛾でしかないんですけど。