緑の太いトゲトゲの激痛をもたらす毛虫『ヒロヘリアオイラガの幼虫』

ヒロヘリアオイラガの幼虫
草
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すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

毛虫に刺されると痒くなったりかぶれたりするイメージがあると思いますけど、実際には毒性のある毛をもっている毛虫はそこまで多くないんです。

でも、イラガの幼虫は全くの別格!!恐ろしいほどに激痛が走るからです!!

地域によっては、「電気虫」なんて呼ばれるほど瞬時に痛みが走るんです。
あの痛みは、思い出しただけでも恐ろしい…

個人的に恐れている毛虫は、チャドクガの幼虫とイラガの種類の幼虫なのですが、チャドクガの幼虫はひたすらに痒くなるのに対して、イラガの種類の幼虫は痛くなるので性質が全然違います。

※チャドクガの幼虫については以下の記事を参照してみてください。

ツバキにウジャウジャ集合している刺されると凄く危険な毛虫『チャドクガの幼虫』
刺されると危険な毛虫の代表が『チャドクガの幼虫』です!!よく集合でウジャウジャと密集しているのを見ませんか?? このチャドクガの幼虫が、何がどう危険なのか、どう対処するすればいいのか絶対に知っておいた方がいいです!! 刺された時に対処を間違...

それで今回は、激痛タイプのイラガの種類の一つで全国に分布している一般的な『ヒロヘリアオイラガ』の幼虫について取り上げます。

ヒロヘリアオイラガの幼虫とはどんな存在

時期
6~10月のうち2回

エサ
カエデ系、サクラ系、柿、梅など

大きさ
20ミリぐらい

分布地域
本州・四国・九州・沖縄

ヒロヘリアオイラガの幼虫は、見るからに痛々しい太いトゲトゲでアピールしてますけど、緑に溶け込む色合いなので気付きにくい場合あります。

しかも、身近な木の葉っぱをエサにしているので気付かれずに刺されてしまうことがあります。

場合によっては、アウトドアで、公園やキャンプなどの時にも出会う可能性のある毛虫です。

庭の手入れをしている時も遭遇する凄く身近な毛虫になります。

地方によって様々な呼び名が付けられるほど、激痛をもたらす危険な毛虫として恐れられている凄く身近な存在。

なので、刺されないためにはその性質を知っていると注意しやすいです。

ヒロヘリアオイラガの幼虫はどんな毛虫か

ヒロヘリアオイラガの幼虫とは

ヒロヘリアオイラガの幼虫は、身近なは木の葉っぱを食べていますし、発生し始めると集団で出てくるのでポイントを知っておけば用心しやすくなります。

ヒロヘリアオイラガの幼虫の発生時期

ヒロヘリアオイラガの幼虫の発生時期

6~10月頃にヒロヘリアオイラガの幼虫は発生します。

基本的には、6~8月と8~10月の年2回発生して2回目の発生の時には蛹で冬を越冬しています。
また、来年お会いしましょう。といった感じですね。

季節的には地域差もありますけど、梅雨明け前ぐらいから発生し始めて秋頃までが目安になります。

この時期に、緑でずんぐりむっくりな体型で太いトゲトゲの毛虫がいたら要注意です!!

1匹のメスから40~50個の卵を産み付けるで、1匹の幼虫を見つけたらその木には数匹いるつもりでいた方がいいです。

幼い時は密集していることが多いので、たくさんいる時はワチャワチャしてます…

小さいうちは毒の量は少ないですけど、一度に一気に刺されたら相当苦しむことになると思います。

ヒロヘリアオイラガの幼虫の見た目や大きさ

大きさは20~25㎜ぐらいでずんぐりむっくりな感じです。

明らかに強そうなトゲは一つ一つが太くて立派なので、毛むくじゃらの毛虫とはひと味違う風貌ですね。

色は、小さいうちは黄色がかっていますけど、成長と共に鮮やかな緑になっていきます。

背中にはキレイなブルーの織物にありそうなライン模様が入っています。

色の感じや形がウミウシに似ていると言う人もいれば、この形が好きだと言うもいて人気者だったりもするんですよ。

色は緑で鮮やかな模様が入っていますし形も愛嬌のあるフォルムなので、私も好きな形なんですけど刺さると痛いので警戒してしまい近づききれないのが残念…

ちなみにヒロヘリアオイラガの幼虫は、蛹になる前の終齢幼虫の段階で形が結構変わるので違う種類の毛虫に思われることがあります。

ヒロヘリアオイラガの幼虫の終齢
蛹になる前の最後の形態

蛹になる前になると、いかつい感じの太いツノのようなトゲはなくなって、全体的に太目の緑のトゲトゲになってタワシのような見た目に変わります。

そして、お尻側の方にオレンジのトレードマークが左右対称に2つ入っています。
見事な変わりっぷりですよね!!

でも、同じヒロヘリアオイラガの幼虫なんです。

ヒロヘリアオイラガの幼虫がエサにしている木

カキ、サクラ、ウメ、リンゴ、クリ、ケヤキ、カエデ類、ヤナギ類などの木なので、かなり身近なものばかりですよね。

家の植木のカエデや、垣根などに人気のレッドロビンもエサにしているので、剪定している時に刺されるケースが多いです。

ちょうど、カエデやレッドロビンの剪定時期が7月頃なので、ヒロヘリアオイラガの幼虫が発生している時期にドンピシャですからね。

これらのヒロヘリアオイラガの幼虫のエサになる木も大量に幼虫たちが付くと、結構な食害を受けてしまいます。

ちょっと気を付けてほしいのは、蛹になる時にはその食べている木の枝や幹などに作ることが多いですけど壁伝いに歩き回っていることがあります。

その時は、以外な所にもいたりするので注意してください。

私は、ポストの入れ口に配布物を投函する時に、移動中のヒロヘリアオイラガの幼虫がポストの投函口にいたのに気付かずに刺されましたことがありますので。

ヒロヘリアオイラガの幼虫の危険性

ヒロヘリアオイラガの幼虫の危険性

ヒロヘリアオイラガの幼虫の毒性についてはちゃんと解明されていないのですが、ヒスタミン系と酵素なことは分かっています。

刺されると激痛が走りますけど、それは酵素が関係しているので死に至るほどの毒性ではないです。
でも、強烈に痛いのは間違いないですけど…

ヒスタミンに関しては、アレルギー反応を起こして痒くなる原因となります。

そもそも、あの激痛はイラガの幼虫は危険を感じた時にトゲトゲから強烈な毒液を分泌して注入してくるので特有のあの激痛が走ります。

なので、ただ細かな毒針毛だけではよくある痒みだけのレベルなので、あのいかつい太いトゲトゲには「私は危険ですアピール」をしているわけです。

でも、ヒロヘリアオイラガは蛹にも毒針毛があるので触らないようにしてくださいね。

余談ですが、ヒロヘリアオイラガの毛虫の状態で茹でたり焼いたりしてしまえば無毒化することがでるので、幼虫が食べている葉の種類によって味が違うのを食べて楽しんでおられる方もたくさんいます。

私は、試したことがないですけど…

ヒロヘリアオイラガに刺されたら

ヒロヘリアオイラガの幼虫に刺されたら

もし刺されると個人差はありますけど1時間程度は痛みが走って、その後は痒みが数日から1週間続くことがあります。

大人でもかなりの痛みでかなりしんどいですから、小さな子供が刺されてしまうと結構な一大事になってしまいます。

なので、適切に処置してダメージを最小限にしていきましょうというわけです。

刺された時の対処法

刺された時はできるだけ早く処理した方がいいです。

早きれば早い方がいいんですけど、なかなか状況によっては思うように処置できない場合もあると思います。

なので何もしないよりは、とりあえずできる限りの方法を優先しながら処置していきましょう。

1.ガムテープなどで刺さった毒針毛を抜く

ヒロヘリアオイラガの場合は毒針毛が抜けるというよりも毒毛から自分で毒を分泌するタイプなので、毒針毛が皮膚たくさん刺さって残っているわけではないですが、折れた毛などがある可能性があるのでまず先にセロハンテープガムテープで刺された毒針毛を取り除いてください。

毒針毛を最初に取り除くことで身体に入ってくる毒液を出しやすくしつつも、痛みの後にくる痒みの原因を最小限にしておくわけです。

ただ、刺さっている毒針毛は肉眼では見えないと思うので、刺さっていのかを確認したりテープにトゲトゲが付いているのかを確認したりする必要はないです。

強く押し付けると逆に刺さっていきますので、とにかくペタッと貼って剝がすを数回すればOK。

ガムテープがなければ、セロハンテープでもいいのです。

子どもの場合は、ガムテープは痛いのでむしろセロハンテープの方が刺激が弱いのでいいかもしれないですね。

取り除くのはとにかく早ければ早いほどいいですから、粘着質のものならなんでもいいで身近なものを活用してください。

キャンプや登山などアウトドアに出かける際には、刺された時の備えとしてグッズの中に忍ばせておきたいですね。

ちょっと高くつきますけど、応急処置として持参していれば「冷えピタ」でもある程度の粘着性があるので代用にはなります。

2.水で洗う

ヒロヘリアオイラガの場合は毒針毛が広がるタイプではないので、テープがなければ最初から水で流しても大丈夫です。

可能なら、石鹸を泡立てた泡で優しくフワッ洗ってとサッと流してください。

とにかく力を入れて擦って洗わないように注意してください。

患部を刺激すると毒液がより広く回ってしまいますから。

もし、ガムテープなどの粘着性の物なかったり、水で洗うことができないどちらかしかできない状況でしたら、どちらかだけでもいいのでやっておくだけで全然違います。

順番も可能な限りなので、手早くできるなら順番を無視してでも早く処置できるに越したことないです。

3.温める

ヒロヘリアオイラガの幼虫の毒はヒスタミン系なのですが酵素も含んでいます。

熱によってその働きが違ってきます。

36~40度が最もよく働くベストな温度なので、人間の体温はまさに適正温度。
どうりで激痛なわけです…

逆に、43度以上になると働きが鈍くなり始めるので、43~50度の温度をお湯を30秒~1分ほどつけられれば痛みを最小限に抑えることができます。

温度はかなり重要なポイントなので、うっかり酵素の活発になる36~40℃の温度につけてしまうと逆に痛みが増すことになるので注意してください。

刺されてから時間が経ち過ぎてから温めるのも、痛みが増す場合があるので出来るだけ早く温めた方がいいです。

とは言っても、結構熱めのお湯ですから小さい子供にとってはちょっと厳しいですよね…

冷やす方が楽なんですけど、冷やすのを止めたら痛くなるの繰り返しになるなどして長期戦になったりするので、10秒ぐらいでいいので一踏ん張りすれば全然違うので頑張って見てください。

4.抗ヒスタミン薬を塗っておく

最後の処置として、抗ヒスタミン薬を塗っておきましょう。

これは痛み止めではなくて、痛みがひいた後にくる痒み対策のためになります。

痒みは気合で耐える人や、あまり薬を使いたくない場合は特に必要ないです。
どちらかと言うと私は使わないタイプなので。

メジャーで代表的なものだと、「ムヒ」が定番になります。
家の常備にも、アウトドアにも携帯しやすいので一つあるといざという時に活躍するアイテムです。

あまり怖がり過ぎないで

ヒロヘリアオイラガの幼虫はそこまで怖がらなくてもいい

ヒロヘリアオイラガの幼虫は結構な要注意生物ですけど、成虫になって蛾になってしまえばなんら問題はないです。

むしろ、濃い目の緑色でキレイです。

淡い緑と茶色の毒があるようでない蛾??『ヒロヘリアオイラガ』
昼間に太い腕...いや脚でまるで腕立て伏せをしながらじっと固まっているかのようなポーズをしていることが多い『ヒロヘリアオイラガ』なんだかチョコと抹茶のお菓子のような雰囲気を醸し出していますよね。

毛虫の時も、刺されてしまうと確かに激痛で何とも忘れがたい記憶になりますけど、結構面白い形で見ごたえありますしね。

チャドクガの幼虫のように、近づくだけで毒針毛がフワフワと飛んで来る毛虫でもないので、真上からや横から見るなどすれば観察しがいがあります。

動きも体の構造的にも可愛らしいので、チャンスがある時には是非じっくりと見てみてください。

好きな人は、上手に腕などに刺されないように乗せて独特な脚の感触を楽しむ人もいますのでチャレンジしてみるのいいかもしれなですね。
慣れていないとお勧めはできませんけど…

何にしろ、トゲトゲには絶対に触らないでくださいね。
本当っ痛いですから!!

淡い緑と茶色の毒があるようでない蛾??『ヒロヘリアオイラガ』
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