モモスズメ(Marumba gaschkewitschii)
【種類】 スズメガ科
【分布地域】 北海道・本州・四国・九州
【活動時期】 5~9月
【エサ】 食べない
【大きさ】 70~90ミリぐらい
茶色の波模様で、上から見ると三角の形をしている枯れ葉そっくりな『モモスズメ』。
ガーデニングで使う、バークチップのような感じにもちょっと見えます。
とまっている場所によっては、大きな枯れ葉のように見えるほどの擬態能力があります。
でも、茶色なのになんでモモなの??ってなりますよね。
モモスズメは毒や害はあるのか
鱗粉アレルギーの場合は、アレルギー反応が出るとおもいますけど毒はありません。
害になるようなこともないです。
でも、幼虫の時は、琵琶(ビワ)、梅(ウメ)、桃(モモ)、桜(サクラ)、林檎(リンゴ)、梨(ナシ)などの葉を食べるので害虫とされています。
かなりの食欲なので、葉っぱを食べていくので要注意の食害幼虫の一つとなっています。
モモスズメのクリクリな目
あまり目立たないんですけど、黒くて大きな目がなんとも愛らしいです。
蛾は全体的にクリクリな目をしているんですけど、なかなか見えにくかったりしますからねぇ。
モモスズメも、パッと見では目が分かりにくいですけど、横からのぞき込むとこんなにカワイイ顔しているんです。
手のりにしたくなる蛾の代表的な種類ですね。
よほどでない限り昼間なら基本的にはじっとしているので、ゆっくり前から指をだしてあげれば手に乗ってくれますよ。
モモスズメの情報
モモスズメの分布
日本では、残念ながら沖縄以外の分布となっています。
九州の屋久島までが南限とされています。
国外では、朝鮮にも分布しています。
モモスズメの特徴
ベースの色が茶色系だけど、地味な感じではなくてオシャレな色使いの目を惹く茶色系です。
そして、全体的に大きく横向きに幅の広めの波模様が入っています。
木の木目のようで素敵で、大きな三角形をしているので目をひきます。
あと、翅を広げると、下に隠れている後翅がキレイな桃色しています。
この後翅の桃色から、桃雀蛾(モモスズメ)と名前が付いた説があるようです。
他にも、翅(はね)の下の方に黒い点の模様が左右対称に入っています。
翅の縁は、キレイに直線ではなくて波打つ感じの細かいウェーブカットになってます。
顔の回りの辺りは、茶色の毛がフサフサしてファーを巻いているように見えます。
腹部は、どっしりとしたて太いです。
それがまたかわいいポイント。
モモスズメの住処
幼虫の時に、果物の木などで生活して成虫になるので、果樹園や桜の木のある公園などの近くによくいます。
近くに雑木林があれば、家の壁などに留まっていることもあります。
他にも、街灯の近くの壁や電柱に留まっていることが多いです。
モモスズメの生態
見た目がちょっとずんぐりむっくりな体型で、目もクリクリなのでのんびり感じがしますけど、飛ぶことに関してはスペシャリスト!!
ススメガの種類は時速50キロ程度は出せるので、モモスズメも車と並んで飛べるだけの早さで飛行が可能なレベルなんです。
昼間は大体じっとしているので想像もできませんけど、実際に飛ぶ姿はほんの一瞬で飛び去っていくので目を疑うほどです。
活動期間の5~9月頃の間に2回羽化して発生します。
秋前の幼虫は、蛹(サナギ)になる時に土に少しだけ潜ってそこで蛹になって冬を越します。
そして、春の時期に羽化してでてくるサイクルです。
しかし、成虫の蛾の姿で生活できるのは短い期間でしかないです…
スズメガの種類によってはホバリングしながら花の蜜を吸うタイプもいますが、モモスズメは口となるストロー状の口吻(こくふん)がないため餌を食べません。
幼虫の時に蓄えた栄養だけで過ごして生涯を終えてしまいます。
個体や季節によって少し色が違ったりするので、三角形の大きな蛾を見つけたらモモスズメの可能性があるのでちょっと観察してみると面白いですよ。