ベニフキノメイガの幼虫とは何者か
「ハーブは匂いが強いから虫が食べたりしないでしょ~」
なんて思ったりしませんか。
その盲点を突くかのようにこっそりと葉っぱを食べていくのが、『ベニフキノメイガ』の幼虫です。
つまり蛾(ガ)の幼虫です。
蛾(ガ)の幼虫=毛虫のイメージが強いと思いますけど、ほとんど毛は生えていないですし刺されて湿疹になるといった毒もないです。
発生する時期は、地域によって差はありますが5月から10月ぐらいまでです。
この時期の間に3、4回成虫になって卵を産み、成虫になっては卵を産みのを繰り返します。
特に、雨がすくない年には多く発生しやすいので、その年の天候によっては要注意です。
なんと言っても大きくなっても8ミリ程度で、産まれたばかりの幼虫はかなり小さくて探すのは至難の業ですから。そして、クモの巣のような細かい白い糸で隠れています。
しかも、一つのハーブに数匹つくのでなおのこと発見するのが大変です。
ベニフキノメイガの幼虫の好物
ベニフキノメイガの幼虫の好物は、シソ科のハーブ全般です。
具体的にいうと、ローズマリー、ミント、セージ、オレガノ、レモンバーム、タイム、バジル、ラベンダーなどです。
一般的に有名で、育てている人も多いハーブですよね。
ハーブティーにしたり、ハーブソルトにしたり、自家製入浴剤にするためだったり、料理に使うためといった需要の多いハーブたちですから。
我が家でもハーブを育ているのですが、特にローズマリーとセージを手中的に食べられてしまいました。
アップルミントも食べられているのですが、あえて植えというよりも自制している状態なのでそこまで気にしていないです。
ベニフキノメイガの幼虫は見つけにくい
ベニフキノメイガの幼虫は、それらのハーブを明らかに食べるのではなくて、最初は地味に食べていきます。
まず、産まれたて(1齢幼虫)と、一度脱皮した後(2齢幼虫)の時は、2~4ミリほどで小さいので葉っぱの表面だけをガシガシとかじっていくだけなので、葉っぱの表面がレース状に食べられていく感じになります。
そして、さらに脱皮した後(3齢幼虫)5、6ミリになるので、本格的に葉っぱを食べ始めるのですが、クモの巣のような白い糸を張りながら姿を隠して行動し始めます。
そのおかげで、なかなか見つけきれないんですよこれが…
しかも、この白い糸はほんの数分程度であっという間に張りますからね。
特に、ローズマリーは分かりにくいです。
葉っぱが細長いので、パッと見で判断しにくいし、糸を張り始めてもあまり違和感がないので目立たないですから…
なので、我が家のローズマリーがそうでしたが、何かの病気になったのか水が足りなくて弱って茶色になってきたと勘違いしやすいです。
実は、じわじわと食べられていたなんて…
といった感じですね。
実際ローズマリーが大打撃を受けた時は、ベニフキノメイガの幼虫の存在を知らなかったので「水枯れなのかなぁ…」と思っていました。
水をしっかりあげるようにしても悪化する一方だったので、「あれ??やっぱり病気なのかなぁ??」と考えるようになって、じっと観察してみて初めて「なんかの幼虫がいる!!!!」といった感じでした。
なので、慣れてしまうと「あぁ、ベニフキノメイガの幼虫きたねぇ」ぐらいになるのですけどね。
ベニフキノメイガの幼虫の被害の違い
ハーブが比較的大きく育っているとベニフキノメイガの幼虫が付きにくかったり、もし幼虫がいてもそこまでの被害にはならないです。
なんといっても幼虫は小さいですし、もの凄い集団でいるわけでもないので全てを食べ尽くすような深刻な被害になることが少ないからです。
しかし、ベニフキノメイガの成虫は、幼虫が育ちやすい環境を選ぶので比較的食べやすい柔らかい葉っぱが多い所を選びます。
なので、ハーブの苗を植えようと思って買ってきて植えたばかりだったり、挿し木で増やすのに植えておいたものが被害に遭いやすく、もし食べられてしまうとそのまま枯れてしまう場合があります。
蛹(サナギ)の前ぐらいまで育つと、葉っぱの茎の辺りもかじるので、苗が小さいとその影響も大きいわけです。
挿し木や植えて間もない苗のいくつかは、いままでに枯れてしまう被害も経験していますので、その時期は特に注意してください。
ベニフキノメイガの幼虫の対策
では、ベニフキノメイガの幼虫に対してどのように対策したらいいのでしょうか。
なんといっても見つけにくい相手ですから。
よく観察する
一番の対策はよく観察することです。
発見が早ければ大した被害になることはまずないので。
特に、挿し木や植えて間もない時は、新芽の辺りを中心に定期的に要チェックしていれば大事なハーブを守ることができます。
やはり、ハーブを育てるからには、無農薬で育てないですからね。
とにかく、白い目の細かい糸が張られていたら、もう成長したベニフキノメイガの幼虫がいる証拠です!!
見つけたら捕まえる
もしベニフキノメイガの幼虫がいたら、すぐに捕まえてください。
可能なら、家から離れてた空き地や野原などに移せれば嬉しいです。
手で捕まえるのが苦手な人は、百均で色々なタイプのピンセットが売っているのでピンセットで摘まんで捕まえるとやりやすいです。
ただ、バックするスピードが速いので、よく狙いを定めないと逃げられてしまうので根気がいるかもしれないです。
なんといっても、産まれて間もない幼虫は凄く小さないですし、色もほぼ緑なので見失いやりやすいですから。
植えて始めの苗は少し離しておく
1匹だけということはまずないので、1匹見つけたら同じ苗だけでなくてその周辺の苗も調べた方がいいです。
成虫の蛾(ガ)は飛んで移動するので、近くに違う種類のハーブがあれば、例えばセージからタイムに移動したりするので、まだしっかりと育っていない苗が鉢植えの場合は、少し離して置いておいた方がちょっとした予防になります。
時には思い切りも大事
ある程度、苗が大きいもので特に地植えの場合は、茎ごと切り落としてしまった方が被害の拡大を抑えることができます。
切り落とした茎は、やはりどこか近所にも迷惑のかからない場所があるならそこに移動してあげてください。
どうしても無理な場合はあまり勧めたくないですけど、水の中に沈めたり、別の場所で殺虫剤をかけるなりしてしっかりと処理しないと戻ってきてしまうので、余計に別のハーブへの被害の元になるので注意してください。
幼虫たちは、あの小さな体で意外と広範囲に移動することができます。
結構な距離を移動することもあるので、その点をふまえて手を打つ必要があります。
そのまま放置しておく
周りに他にもたくさん植えていたりすれば、天敵もたくさんいるのでそのまま放置していても枯れるほどの被害にならずに済むこともあります。
できれば、この方法が一番いいのですが、その時の苗の状態と周りの環境と許容ができるかによりますからね。
我が家のローズマリーは、苗が弱かったので最終的には枯れてしまいました。
ハーブの管理も上手くいってなかったのもあるので、自分が悪い面があるんですけど状態の見極めがカギになると思います。
特にクモの巣が周りにあると、卵を産みにくる蛾(ガ)を捕獲してくれるのでかなりの予防効果があります。
ハエトリグモも、結構この手の幼虫も蛾(ガ)も食べてくれるので、見つけたらパトロールしてくれてると思って大丈夫です。
自然のバランスをとってくれる強い見方です。
実際に捕食している様子も目にしたことがあるので、信頼のできるパートナーですよ♪
状況に依存している要素が多い方法ですが、おすすめしたいのは放置する方法ですね。
観賞用なら薬を使う
ハーブティーや料理などの用途でハーブを植えているわけではない観賞用なら、最終手段としてですが殺虫剤で駆除する方法もありかもしれません。
定番なのは、オルトラン水和剤ですが、ベニカベジフルスプレーは、スプレー式で希釈をしたりする必要もないですし、種類がたくさんあるので、その状況に合わせたものを選ぶことができますしホームセンターなどでも手に入れやすいです。
ベニカベジフルスプレーは、オーガニックタイプのものもあるので、いかにも殺虫剤を使いたくない人向けにもなっています。