ユーモアセンスのある顔の蜘蛛!!『アズチグモ』

アズチグモ
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

アズチグモ (Thomisus labefactus)

学名 Thomisus labefactus
種類 カニグモ科
分布地域 本州・四国・九州
活動時期 6~9月
エサ 小さな虫や幼虫など
大きさ オス2~3ミリ メス6~8ミリぐらい

初めて見ると笑えてしまう顔をしているのが『アズチグモ』。
なんだか仮面舞踏会のような仮面を付けているかのような顔をしてますから(笑)

ちなみに、漢字で書くと『安土蜘蛛』です。

でも、簡単に見つかる時は見つかるんですけど、活動時期が結構短いのでタイミングを逃すとなかなか出会えなかったりも…

写真が撮れた時は、道路際の草むらであのユーモアな顔で前脚を広げていました。その格好がまた面白かったんですけど(笑)

動きもカワイイし顔も面白いので、飼ってじっくり観察したくなりますよ。

アズチグモは毒や害はあるのか

アズチグモ

毒も害もないです。

草むらにいるので、よっぽどでないと家の中にはそうそう入ってくることもないです。

畑をしている場合は、モンシロチョウなどを食べてくれるので心強い味方になってくれますよ。

アズチグモのユーモアな顔

アズチグモの顔

仮面に見える部分が目立ち過ぎて目がどこにあるかわからないぐらいですね…

クモの中でも、目はかなり小さい方に入りますね。
でも、インパクトは絶大です!!

カエルに見えるアズチグモ

見方の角度によっては、ちょっとカエルぽくも見えますかね。

なんにせよ、なかなか個性的な印象の顔のクモなのは間違いないですね。

小さい顔ですけど、ここまで面白い顔のクモはなかなかいないですからねぇ~

アズチグモの情報

アズチグモのポーズ

アズチグモの分布

北海道と沖縄にはいないのが残念です。

本州、四国、九州にはいるので、是非一度は見てもらいたいクモですね。

国外では、中国や韓国にも生息しています。

アズチグモの特徴

一番の特徴は、何とも言えない独特の顔。

全体的に白っぽい緑色に対して、茶色っぽい変な仮面を付けているので見つけたらすぐに分かります。

アズチグモの特徴

脚は、第1脚と第2脚が長くて獲物を捕らえやすくなっています。

透明感のある素敵な脚ですね。

お腹は台形のような形です。

脚には茶色系のちょっとした模様が入る個体もいます。
腹部に模様があったりなかったりと、脚の模様と同様で個体差があります。

顔の仮面の模様も個体差があって微妙に違いがあるので、その違いも楽しみの一つになります。

このアズチグモは、目が小さいのも特徴と言えるかもしれないですね。

アズチグモのオス

しかも、オスはメスの半分以下の大きさしかないです。

メスと全然違う色で、オスは全体的に茶色をしています。

クセがある感じなのはメスだけで、オスは地味な感じの特にインパクトのない小さな蜘蛛です。

アズチグモの住処

主に、草むらにいます。

小さな花を狩場にしていることが多いので、花の近くが遭遇しやすいポイントになります。

個人的には、クズの花や葉でよく出会います。

アズチグモの生態

アズチグモのナイスポーズ
アズチグモのメス

花の側で擬態して待ち構えて、飛んでくるチョウやガを捕まえて食べています。

時には、自分の体の数倍もあるチョウやガを捕らえることも。

そのため、前脚を広げて待ち構えている姿でいることが多いです。

見た目の割りに結構素早くササッと移動します。

6~9月が活動期間ですけど、出会う確率は圧倒的にメスの方が多いです。

7~8月頃に草などの葉っぱを糸で筒状にしてその中で産卵し卵の塊りの卵嚢をメスが守ります。

9月頃に卵から孵化して出てきた子グモたちで冬をしのいで越冬し6月頃に成体へと成長していきます。

アズチグモの飼育

食事中のアズチグモ
クズの花の上で何かの幼虫を食べているアズチグモのメス

飼うためには、チョウやガ以外にも羽アリ、蚊(カ)やコバエなどを与え続けられる環境なら飼育も可能です。小さな幼虫も食べます。

花はなくても問題ないです。

でも、何かに上って待ち構えて獲物を捕獲するスタイルなので、茎がしっかりしている草などを入れてあげる方が落ち着くと思います。

ただ、活動時期が6~9月と短いので一緒に過ごせるのは短い期間なのが残念ですね。

比較的早い時期に、オスとメスが見つけられれば繁殖も楽しめる