オレンジの筋に赤黒カラーのトゲの毛虫がパンジーを…それは『ツマグロヒョウモンの幼虫』です!!

ツマグロヒョウモンの幼虫
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

パンジーやスミレなどの葉っぱ食べてしまう、園芸を楽しむ人にとっては大敵となるがツマグロヒョウモンの幼虫

ちょっとしたパンジーのプランター植えから、庭先に植え花の苗、楽しみにしていたスミレがいつの間にか赤黒の固そうなトゲトゲの毛虫にやられていたらそれは、ツマグロヒョウモンの幼虫が犯人です!!

でも、あまり敵視しないでほしいんです。

ツマグロヒョウモンの幼虫とは

時期
5~11月のうち4~5回発生

エサ
スミレ、パンジー、ビオラなど

大きさ
4~4.5ミリぐらい

分布地域
本州・四国・九州・沖縄

ツマグロヒョウモンは、タテハチョウ科のチョウです。

幼虫は、黒と赤のトゲトゲですけど、成虫のチョウになると茶系をベースに黒い水玉模様があるチョウと変化します。

結構見かけるチョウなので、こんなチョウを一度は見たことありませんか??

地味なのでガだと思っている人も多いようですが、立派なチョウです。

ツマグロヒョウモンの成虫

この幼虫が、大事にしているパンジーやビオラ、スミレの葉っぱをガシガシと食べてしまうわけなんです。

しかも、大量発生して恐ろしいほど早いペースで食べ尽くしてしまうことも..

5月から出始めて、11月ぐらいまで活動している幼虫です。

最近は暖かくなるのが早かったり、冬があまり寒くなかったりするので、地域によっては2~3月ぐらいにはよく目にするようになることあります。

食べっぷりが可愛いので、あえてスミレを植えて増やして飼い始める人もいる人気者だったりもします。

見かけのわりに毒はない

触っても大丈夫なツマグロヒョウモンの幼虫

色合い的には、なんか毒があります!!
って雰囲気がありますけど、毒はないのでトゲトゲに触っても全く問題ないです。

でも、「じゃあ触ってみて」と言われると度胸がいる感じですけどね…

じゃあ、なんのためのトゲトゲなの??
と思うかもしれないですけど、いかにも毒々しいトゲトゲは鳥たちなどの天敵から身を守るための擬態なので、触っても毒があるわけではないという仕組みです。

ちなみに、トゲは各節ごとに6本ずつ生えています。

ツマグロヒョウモンの幼虫の好物

ツマグロヒョウモンの幼虫

パンジーやビオラ、スミレの葉っぱをエサが大好物のエサです。
スミレ科の植物の葉ならなんでも食べちゃいます。

飼う場合は、結構な食欲なのでたくさん準備してあげないといけないです。
エサになるスミレを増やしておいて、鉢植えにしておいてる人もいるぐらいです。

よく道路を歩いている幼虫たちは、エサを食べ尽くして丸坊主にして次のエサ場を求めて旅に出ているところだったりします。

パンジーを食べ尽くしたツマグロヒョウモンの幼虫

なので、もし飼うなら結構大量にスミレを種で増やしておいた方がコストがかからないです済みますね。

よく見るとカワイイです♪

かわいいツマグロヒョウモンの幼虫

苦手な人にとっては、トゲトゲの感じとかちょっと受け入れ難いものがあると思います。

でも、イモムシ好きだけにとどまらず、結構人気な毛虫なのでその魅力を知って欲しいですね。

よく見ると、背中からお尻にかけての筋模様は、成虫のチョウになった時の色になっています。

やっぱり、黒の模様がトレードマークになりますから、幼虫の時にもツヤのないブラックがなんとも落ち着いた色合いになっているじゃあないですかぁ~

しかも、プリっとしたお尻もチャームポイントなんですよぉ。

ツマグロヒョウモンの幼虫のお尻

どうです??
赤いトゲがアクセントになっているカワイイお尻じゃないですかぁ~

花壇のパンジーを食べられても許してあげたくなりませんか??

苦手なので駆除したい時

個人的には、駆除はしてほしくないので方法は載せません!!
という訳にもいかないので、どうやって駆除したらいいのかその方法をシンプルにまとめたいと思います。

でも、いかにも農薬での駆除だけは花のためにも、虫たちのためにも、土壌のためにもおすすめはできないのでごめんなさい。

おすすめの駆除方法

捕獲駆除

大量発生してしまうと、何十匹と現れることもあるのですが、そうでないなら単純に割り箸と紙コップなどの容器を用意して1匹1匹捕まえていきましょう。

苦手でないなら、そのまま手で直に捕まえてもいいですけどね♪

できれば、それを離れた河川敷や空き地などに放してあげれれば最高です!!
移動の時に心配な場合は、ヨーグルトの空き容器などフタのあるものなら気を遣わずに運んでいけます。

天敵に任せる

ツマグロヒョウモンの幼虫は、鳥が襲わないので天敵がいないように思われていますけど、ちゃんと天敵はいます。

例えば、サシガメやハリブトシリアゲアリのよう攻撃的なアリに襲われてしまいます。

なので、環境によってはそのままにしても問題なく天敵とのバランスで抑制される場合もあります。

木酢液

実際に試したデーターがあるわけではないのですが、木酢液を10~20倍に薄めたものをツマグロヒョウモンの幼虫が現れる前から予防として葉っぱに時々、葉っぱがしっかりと濡れるだけ散布しておきます。

パンジーやビオラ、スミレが開花するまでの間だけにしておいて、あまり木酢液を撒きすぎると酸性濃度が上がってしまうので注意がしてください。

木酢液は天然の素材ですが、虫たちや植物にとっては全く無害なものではないので農薬同様あまり使用はおすすめできないです。

木酢液と似たもので、お酢で病気や小さな害虫を予防するものもあります。

アブラムシやハダニの予防になっているので、どこまで力を発揮してくれるかは未知数ですが、農薬系を使用したくない人にはおすすめです。

オーガニックな薬を使う

できれば農薬は使いたくない…でも…
といった時に、木酢液とは違って薬になるのですが、化学殺虫成分を含んでいない殺虫剤があります。
有機JAS規格で使用可能な食品成分から作られているオーガニックな殺虫剤です。

やはりアブラムシやハダニが対象になっています。

でも、「ベニカマイルド」は薬っぽい臭いもしないので、予防として使用するのに使用しやすい殺虫剤だと思います。

ツマグロヒョウモンの幼虫も大切な生物

ツマグロヒョウモンの幼虫

大切にして楽しみにしている花を攻撃されてしまうのは残念ですけど、キレイな花と同様にツマグロヒョウモンの幼虫も生き物です。

できれば、そのままにしてあげてキレイなチョウとなって飛び立っていくのを見守っていただければ嬉しいです。

ツマグロヒョウモンの幼虫は育てやすいので、できれば子供が幼虫からチョウになるまでの成長過程を学ぶのに持ってこいなので、一緒に観察してみてはいかがでしょうか。

自然の造りを知って、きっと心豊かな大人へと成長してくれますよ♪