松の葉を食べる毒のある毛虫『マツカレハの幼虫』

マツカレハの幼虫
草
レア度  
すばしっこい度 
危険度  
飼いたい度  

マツカレハの幼虫はどんな毛虫?

時期
4~6月と8~10月の2回

エサ
クロマツ、アカマツ、カラマツ、ヒマラヤスギ、モミなど

大きさ
60~75ミリぐらい

分布地域
北海道・本州・四国・九州

松の葉を食べる大きな毛虫が『マツカレハの幼虫』です。

大きくて毛むくじゃらのいかにも毛虫ですけど、松の葉に紛れていると以外と目につかなかったりもする幼虫ですね。

通称『マツケムシ』とも呼ばれている毒があるので注意が必要の毛虫です。

マツカレハの幼虫には毒や害はあるのか

マツカレハの幼虫には毒針毛がある

いかにもの雰囲気ですけど、毒のある毛を持っているので注意が必要です。

全体にその毒のある毒針毛があるわけではないのですが、藍色の毛の束が毒のある毛になっています。

普段はじっとしていることが多いですが、危険を感じるとその毒針毛で威嚇してくるので不用意に近づくのは危険です。

マツケムシと呼ばれるだけあって毒があるだけでなく、マツ科の植物を食べるので森林害虫とされています。

大量発生してしまうと、松の葉のほとんど食べ尽くしてしまうので場合によっては枯らしてしまう場合があるレベルの食害となります。

松の茎や枝に見えてしまう

松の木に馴染むマツカレハの幼虫

幼虫のなかでもかなり大きい方ですが、松の木に見事に馴染んでいることが多いのですぐに見つけられなかったりします。

じっとしている時は、だいたい茎や枝に沿って真っ直ぐに伸びた格好でいます。

フサフサの毛とその格好が、見事に松の木と馴染むようになっているんです。

マツカレハの幼虫の情報

マツカレハの幼虫の発生時期

マツカレハのは成虫は年に1回発生するのですが、幼虫は2回現れます。

4~6月頃の春の時期と8~10月頃の夏から秋にかけての時期です。

地域差はあるのですが、春の発生の後は次の産卵までの間少しだけ空いてからまた発生するかたちになります。

必ず、同じ木に現るとは限りませんけど、場合によっては2度被害を受ける可能性があります。

卵は200~500個ほど産むので、場合によってはかなりの大量発生になりますね。

バラバラにでなくて、マツの葉にキレイにギッチリとまとめて産み付けていきます。

マツカレハの幼虫の生態

マツカレハの幼虫は、生まれてから蛹になるまでの間ずっと毒毛があります。

成長と共に発達してくるので、大きい毛虫ほど危険なので気を付けてください。

エサは、マツ科の植物の葉を食べて育っていきます。

基本的には夜になってから動き初めて食事をします。

なので、昼間はじっとしているので、見つけにくかったりします。

年に2回発生する地域では、春生まれは夏頃に羽化します。

しかし、夏から秋口に生まれた幼虫は秋までに5回ほどの脱皮を繰り返して20センチぐらいに育ち、幼虫はのまま木の根元付近に身を隠しながら冬を越します。

なので、春の時は冬眠明けの幼虫ですが、夏の発生は生まれてくる幼虫になるので数が多くなります。

マツカレハの蛹

蛹(さなぎ)になる時には、葉の間に繭(まゆ)を作ってその中で蛹になります。

松の葉の生え方がそもそも束になっているので、繭は結構見つけにくいです。

マツカレハの幼虫に刺されたら

マツカレハの幼虫に刺されたら

毒のある毛虫の代表格と言えば、ドクガ系の幼虫とイラガ系の幼虫で刺されると、激烈な痒みか激痛といった症状がでます。

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マツカレハの幼虫刺された場合は、どちらかというとイラガよりの症状がでます。

つまり、激痛タイプになります。

イラガがそうですけど、痛いの1時間ぐらいで腫れます。

痛みの後は痒くなりますが、痒みは対処や体質によって違いがありますが数日から1週間は続きます。

見た目だけで毒がない毛虫が多いですけど、マツカレハの幼虫は見た目からすると凄く痛くなりそうですけどその通りのタイプなので注意が必要です。

マツカレハの幼虫に刺されてしまったら

刺されてしまったら初期対応が大切です。

落ち着いて、可能な範囲でいいので対処した方がひどくならずにすみます。

1.まずはテープで毒針毛を抜く
ガムテープを使う

刺された時には皮膚についている毒針毛を取り除くことで、患部の悪化を最小限にしつつ他の場所に刺さってしまわないように予防する必要があります。

マツカレハの幼虫の毛は刺さっているのが目で見える大きさなので、ピンセットや毛抜きで最初は抜いてから、セロハンテープやガムテープでしっかりと細かい毛も取り除くようにすれば被害を最小限にとどめることができます。

ギュウギュウと強く貼り付けると毒針毛が残っていた場合かえって取れなくなって悪化するので、普通に貼って剥がすだけで大丈夫です。

2.洗い流す

残っている毒針毛が取り除けたら、次は水で洗い流しましょう。

石鹸を使えれば、よく泡立ってから泡で洗う感じで洗います。

水にしても、石鹸にしても、やはりゴシゴシとこすらないのが大切です。

3.温めるか冷やす

個人的には痛みの酵素を分解するために温めるタイプなのですが、温める場合は43~50℃のお湯をシャワーで少なくても30秒から1分ほど温めてください。

温度が低いと痛みが増すので、必ず温度は気を付けてくださいね。

逆に、保冷剤や氷などで冷やしても痛みを軽減できます。

痛みが続く間は、冷やしておくことで炎症を抑えておけるので腫れている時には軽減できるので楽になります。

4.薬を塗る

薬は、抗ヒスタミンかステロイド系になります。

薬局やドラッグストアで簡単に手に入るので、分からない時は店員さんに毛虫に刺されたので薬を探していることを伝えるか、「ムヒアルファEX」がいろいろな虫刺されに1本あれば重宝するのでいいと思います。

とはいっても、体質によって痛みや痒みがひどい場合には、病院で診てもらった方が確実です。

マツカレハの幼虫の対処法

マツカレハの幼虫に対処する

昔は数が多い時などに、火を着けた布を竹竿に括り付けて幼虫を焼いて退治していたそうです。

でも松は、松脂(マツヤニ)と呼ばれるほど油分が多いので、気を付けないと一気に燃えて大惨事になる事例もあるようなので、安全に対処したいですよね。

一番安全い対処できるのは、孵化したばかりの時期です。

卵は密集しているので、生まれてくる幼虫も最初の時期は集団で生活しています。

なので、可能なら卵の時点で枝ごと切り落とすか、集団で生活している間に枝ごと切るだけで対処できてしまいます。

もしも、薬剤を使用する場合も、やはり集団のうちの方が確実に対処できるので夏の産卵時期からが大切なので注意して見ておくといいですね。

トレボン乳剤を4000倍希釈したものなどが勧められています。

越冬組が出てくる春のタイミングか、孵化したばかりの夏時期が散布時期とされているので参考にしてみてください。

希釈のものだと、少しだけ使いたい時には不便ですよね。

そんな時にはマツカレハの幼虫のように大きいタイプの毛虫にも、手軽に使えるスプレータイプの殺虫剤もあります。

マツカレハは、大量発生していないようならそこまで気にしなくても、松の成長を妨げたり枯れたりするレベルにはならないので、可能ならそっとしておいて頂ければと思います。

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